認知症ケアシリーズ3このページを印刷する - 認知症ケアシリーズ3

もの忘れ看護相談イメージ
認知症が進むと、物忘れが多くなり、理解力が低下していきます。

本人が大事にしている財布などを置き忘れたり、しまい忘れてしまいます。そして、捜し物をすることが増えます。「大事なものだから」と思い、見つかりにくい場所に自分で隠すことから始まります。物忘れから、隠した場所を忘れてしまい、さらには隠したことすら忘れています。その後、財布がいつもの場所にないと「誰かに盗まれた」という妄想が生まれ、多くの場合最も身近にいる人を疑うようになります。

特に一番お世話をしている人が対象になりがちです。それは、いつも良くしてくれて信頼し、遠慮なくわがままを言える存在だからです。お世話する人にとっては、ののしられ、ご近所からも犯人呼ばわりされるのはとても辛いことで、ストレスになり、家族の信頼関係も壊れてしまいがちです。

周囲の人が、認知症による症状であることを理解しましょう。認知症の症状のひとつなのです。

無くしたものを一緒に探して、本人が探し出せるように導きながら、安心感をもたらすように話しかけます。また、保管場所を決めて、こまめに伝え、覚えてもらえるといいですね。
 
文責:認知症看護認定看護師 北原こゆき